自転車保険の義務化

エコブームや健康志向などによって高まった自転車人気。

通勤や通学に加えて、近所への買い物など、
ちょっとした移動には欠かせない存在となっています。

それに伴って、交通量の多いところを中心に環境整備が進められており、
防護柵の設置、歩道・車道との色分けなど自転車専用道路が増えつつあります。

また、道路交通法の改正によって交通ルールも見直され、
自転車でも3年間に2回以上違反で捕まると講習を受ける必要があるなど、
悪質な運転には罰則を強化して事故を未然に防ぐように取り組んでいます。

その一方で、歩行者と自転車の接触事故も高止まりしており、
衝突した相手にケガを負わせて加害者になるケースも出てきています。

しかも、未成年の子供が起こした事故であっても高額な賠償命令が下されており、
さらなる対策を講じる必要が出てきています。

そういった背景から全国の自治体では自転車保険の義務化を協議しており、
高額賠償判決のあった兵庫県では全国に先駆けて条例化されました。

兵庫県で全国初の条例化

2015年3月18日、兵庫県議会で 自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例 が可決成立し、2015年10月1日から施行されています。

これにより、自転車利用者に加えて、未成年者の保護者、業務利用する事業者などは、
「自転車事故により生じた他人の生命又は身体の損害を補償することができる保険」への加入が義務付けられました。

つまり、加害者になったときの賠償金を補償してくれる保険のことで、
いわゆる「個人賠償責任保険」への加入義務になります。

賠償責任保険 は自動車保険などの損害賠償保険に特約として加入することが多く、
すでに加入済みであれば改めて契約する必要はありません。

そのほかに、自転車店でも販売時に購入者が保険に加入しているかどうか確認し、
不明のときは保険の情報提供と保険加入を勧める必要があります。

今のところ、条例違反が見つかった場合でも罰則は設けられておらず、
保険加入の促進、啓発する活動がメインとなっています。

大阪府、滋賀県、福岡県、鹿児島県、名古屋市でも義務化

自動車の「自賠責保険」のように強制加入ではありませんが、
それでも自転車保険への加入義務化は自治体で広がってきています。

先の兵庫県に続いて、 大阪府でも2016年7月1日から施行されているほか、
滋賀県でも2016年10月1日から義務化 されています。

さらに、名古屋市福岡県鹿児島県、 でも2017年10月から義務化されているほか、
京都市で2018年4月から、京都府で2018年4月の条例施行を目指して進めている段階です。

また、観光などでレンタルサイクルを利用するときにも義務付けられているので、
対象自治体に住んでいなくても注意しておく必要がありそうです。

今のところ、違反者に対する罰金などの罰則規定はありません。

東京都、埼玉県などで努力義務

東京都では 都東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例 が制定されており、
賠償責任保険への加入やヘルメットの着用が努力義務となっています。

そのほかに、埼玉県や千葉県、熊本県、愛媛県などでも努力義務となっており、
今後ますます他の自治体へ広がっていくと思われます。

ちなみに、義務化された自治体と同じで罰則規定はありません。

自転車保険とは?

それでは、どんな自転車保険に加入すればいいのでしょうか?

一般的に、自転車保険は加害者になったときに補償してくれる個人賠償責任保険と、
自分自身のケガに備える傷害保険の2つがセットになっています。

このうちの個人賠償責任保険だけが加入義務となっているので、
傷害保険に加入しなくても条例違反ではありません。

そのため、正しくは「個人賠償責任保険の加入義務化」といえそうです。

個人賠償責任保険

個人賠償責任保険 は自転車事故など過失があるときに賠償金を補償してくれる保険で、 契約者本人に加えて配偶者や子供といった家族も補償の対象になります。

自動車保険などの損害保険の特約として加入することが多く、
日常生活賠償特約や賠償責任補償特約と呼ぶところもあります。

傷害保険や火災保険、ペット保険、共済などにも特約として用意されているほか、
クレジットカード会員限定の保険で加入することもできます。

ただ、複数加入すると保険金の上限金額は加算されますが、
それぞれの保険会社から保険金を受け取れるわけではありません。

たとえば、2つの保険に加入していて100万円の保険金が下りるケースでも、
それぞれの保険から100万円ずつ、合計200万円が受け取れるわけではありません。

2つの保険合わせて、合計100万円の保険金になります。

そのため、賠償責任保険に重複して加入してもムダになる場合もあるので、
加入済み保険に特約が付いていないか事前に確認しておきたいところです。

保険金額の上限

条例で保険への加入は義務になっていますが、
事故が起こったときに支払われる保険金の金額までは定められていません。

そのため、最低限の1,000万円程度でも問題ありませんが、
自転車事故で1億円近い賠償命令が出されていることを考えれば十分とは言えません。

万が一の自転車事故に備えるためにも最低でも保険金1億円、
できれば2億円まで補償してくれる保険に加入しておくと安心です。

三井住友VISAカードのポケット保険 では賠償責任1億円で月額100円ですが、
2億円で月額110円、3億円でも月額120円と保険料の差はわずかです。

※賠償責任保険に加えて、入院補償500円/日などにも同時加入する必要があるため、
保険料は最低でも賠償責任1億円で140円/月、2億円150円/月、3億円160円/月になります。

自転車利用の頻度や家族構成などにもよりますが、
わずかな差額で大きな補償が得られるので多めに掛けておいたほうが安心です。

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